学習ガイド

共通テスト地理総合・歴史総合・公共 資料の読み方

地図や史料で迷ったら、作った人、表している範囲、設問が求める根拠を確かめます。地域の交通を題材に、地理総合では割合の分母、歴史総合では記録の立場、公共では意見と事実の違いを読み取ります。

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地域のバスをめぐる資料で読み方を変える

バス路線を題材にした地図、古い陳情書、住民の意見を並べてみます。どれにも「利用者」が登場しますが、地図から人数を判断するときと、陳情書から当時の要望を読むときとでは、見なければならない場所が違います。次の例は読み方を試すための架空の資料です。実際の設問で練習するときは、大学入試センターの本試験問題で地理総合、歴史総合、公共の各資料を開いてみましょう。

地理総合では、凡例の単位と分母を見る

「通勤者に占めるバス利用者の割合」を色の濃淡で示した地図があるとします。山あいの地区が濃く、駅前は淡く塗られていました。色から言えるのは、山あいの地区でバスを使う通勤者の割合が高いことです。実際にどちらの停留所に多くの人が並ぶかを答えるには、各地区の通勤者数や停留所の利用状況も知る必要があります。

凡例を隠し「地図で濃いほうが多い」とだけ説明してしまったら、「誰のうちの、何の割合か」と問い直してください。さらに、住んでいる地区に基づく地図なのか、乗車した場所に基づく地図なのかを確かめます。住民が隣の地区まで歩いて乗車することも考えられるからです。地形を見て理由を思いついても、資料で直接確認できたことと、次に調べたいことを別々に書きます。

歴史総合では、史料が作られた目的を読む

同じ地域から、商店主が路線の延長を求めた古い陳情書が見つかったとしましょう。「遠くから買い物に来る人が増える」という一節は、商店主が延長に期待を寄せたことを示します。陳情書だけから、実際に延長されたことや客足が伸びたことまでは確かめられません。書かれた時点で、その出来事は過去なのか、将来への期待なのかを読みます。

ここに開通後の営業報告が加わったら、それぞれの作成時期を確かめ、開通前の「予想」と開通後の「記録」に分けます。ただし営業報告に乗客が増えたとあっても、増えた人が商店の客だったかは別の問いです。史料どうしに共通する言葉を丸で囲むだけで終えず、「どこまでなら、この史料で裏づけられるか」を短く書いてください。出来事の順番は、教科書の地図や年表に戻って確かめられます。

公共では、判断の理由と裏づける事実を分ける

路線の見直しをめぐり、「利用の少ない時間を減らし、通学時に便を増やそう」という意見と、「昼の便がないと通院が難しくなる」という意見が出たとします。どちらも住民のためという言葉でまとめると、対立の理由が消えます。前者が限られた車両の使い方に、後者が移動の機会を確保することに着目している、と書き分けましょう。

「昼の便は空いている」という追加資料があっても、通院に使う人の移動手段がほかにあるかまでは分かりません。選択肢に「したがって廃止すべきだ」とあったら、利用状況から政策を選ぶまでに、どんな価値判断が加わったのかを探してください。賛否を尋ねる問いと、資料から確認できる内容を尋ねる問いでは、同じ資料でも答え方が変わります。

迷った選択肢の語を資料の余白に戻す

模試の復習ノートには、「人数/割合」「要望/実現」「事実/判断」のように、取り違えた語を対で残しておきます。別の資料で同じ間違いが起きたら、今度は先に凡例、作成者、発言の理由のどこを見ればよいかが分かります。共通テスト対策で資料を読み返す日は、選択肢の全文を写す代わりに、根拠が載っている箇所と、その資料では答えられない問いをひとつずつ残しましょう。

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よくある質問

資料を読む前に選択肢を見てもよいですか。

先に設問で何を比較するのかを押さえます。選択肢を見ても構いませんが、そこに書かれた説明を正しいと仮定せず、資料のどこで確かめられるかを探しましょう。

歴史の背景知識はいつ使いますか。

史料の作り手と時期を押さえてから、習った出来事との前後関係を考えます。知っている出来事に結びつけた後も、本文にない因果関係を加えていないかを確かめます。

公共で自分と違う意見に出会ったらどう読みますか。

賛成か反対かを決める前に、その人が何を守ろうとしているのかを書きます。判断に使った資料と、その人が大切にしている価値を区別すると、対立点を説明できます。

出典・参考資料

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