大学受験の小論文の書き方 設問を読み、根拠を選んで推敲する
小論文は、設問が求める作業を確かめてから書き始めます。課題文から使える根拠を取り出し、自分の結論につなぐ方法を、図書館の開館時間をめぐる例で考えます。書いた後は初めて読む人の立場で説明を見直します。
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設問の末尾で、答案に必要なものを確かめる
「筆者の考えを要約したうえで、あなたの意見を述べなさい」という問いなら、答案には筆者の考えと自分の意見の両方が必要です。読み始める前に「要約」「意見」のように余白に書いておきます。資料に言及する指示や字数の指定もここで確かめます。意見が浮かんでも、課題文を読み終えるまでは仮の答えにしておきましょう。
課題文では、筆者が挙げた例と、その例を通じて言おうとしたことを区別します。要約には後者を残し、「筆者は〜と考えている」と書いてみます。自分の賛否がこの文に入り込むなら、筆者の話がどこまでなのか、原文に戻って確かめてください。
図書館の例で、言えることの範囲を考える
練習用に「地域の図書館は夜間も開館すべきか」という問いを置きます。架空の資料には「閉館直前に来館した人から、仕事帰りに利用したいという声があった」と書かれています。ここから「住民の大半が夜間開館を望んでいる」とは言えません。資料が伝えているのは、閉館直前に来た利用者の要望です。
そこで「夕方に来る人が利用しやすいよう、曜日を限って夜間開館を試す」と主張したとします。続けて、試す曜日をどう選ぶか、利用者の声や職員の負担をどう確かめるかを書けば、なぜ試行が妥当なのかが伝わります。「便利だから賛成です」で筆が止まったときは、誰にとって何が変わるのかを具体的にしてみてください。
反対の立場からも確かめます。「遅い時間の帰宅が難しい職員もいる」と考えると、利用者の便利さだけでは説明が足りません。字数が限られるときは、論点を広げるより、結論に影響するこの条件を短く書き添えます。どんな課題にも反論の段落を付ける必要はありません。
模範答案は、自分の下書きと並べて読む
模範答案を読むときは「うまい表現」を集める前に、どの一文が設問に答え、どの一文がその理由を支えているかを探します。同じ印を自分の下書きにも付けてみましょう。主張には線が引けるのに理由が見つからなければ、直す場所が決まります。お手本を読み、自分で書き、書いた文章を振り返る練習は、米国教育省教育科学研究所の作文指導資料でも取り上げられています。
書き直した段落を初見の読者に渡す
先生や友人に読んでもらうときは、「どこが悪いですか」よりも、「私がどの条件で夜間開館に賛成していると読みましたか」と尋ねます。返ってきた答えが自分の意図と違えば、接続語だけを替えず、前の文と次の文が同じ対象について述べているかを見直します。ひとりで練習する場合は、下書きを伏せ、結論とその理由を口頭で再現してから読み返しましょう。
最後に、設問の指示をもう一度読みます。要約が原文の意味を保っているか、自分の判断が区別できるか、指定の字数に収まったかを確認します。次の課題には、今回書き直した箇所だけメモして臨みましょう。添削と書き直しを別の日に置くなら週間計画の立て方、推敲の途中で気が散るなら集中して取り組む時間の区切り方も使えます。
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よくある質問
序論はどこから書き始めればよいですか。
設問に対する仮の答えを余白に書きます。社会全体の大きな話から入るより、その答えを読者に伝えるために必要な背景だけを残すと書き出しが決まります。
自分の体験を根拠にしてもよいですか。
設問の条件に合う場合は使えます。実際に見聞きした範囲を示し、その体験がどこまで主張を支えるのかも書きましょう。
添削で理由が弱いと言われたら、何を直しますか。
理由を増やす前に、その理由から結論を導けるか確かめます。読み手が知らない前提があれば、根拠と結論の間に補います。
出典・参考資料
- Teaching Secondary Students to Write Effectively · 米国教育省教育科学研究所 · 2016

